(世の中には、自分の性を公にして生きてるonlyやotherもいるけど、理玖さんはその辺、かなり繊細だ)
有名人や芸能人の中には第二の性を公表して飯のタネにしている人間もいる。
一般人は隠して生きている場合が多いが、理玖ほど神経質ではないと感じる。
(他の人より仲良くなったつもりだけど、やっぱりまだ、理玖さんが遠い)
本当はこの一年の間で理玖がrulerであると確認できれば、その時点で父親を説得するつもりだった。
出来なかったのは理玖に隙が無かったからだ。
rulerと確信した今は、安全性の点で父親を説得できない。
(俺は理玖さんの人柄を知ってる。不器用だけど、可愛くて優しい人だって、知ってる。でも、あのフェロモンが……。いっそ、俺の理玖さんにしてしまえたら……)
もし晴翔が理玖のspouseになれたら。理玖の安全性を証明できる。父親の懸念を払拭できる。otherの晴翔にしかできない解決策だ。
しかし、その為には、晴翔がotherであると告げる必要がある。
(傷付けたくない、守りたい。俺の理玖さん……。俺をspouseにして